スーパーフードとは?定義や2020年以降の代表食材!食のサスティナブル化に注目

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セレブのアンチエイジングや美容・ダイエットのための食事として注目されてきた「スーパーフード」。栄養学的な管理栄養士の松田さんによると、「食のサスティナブル化により改めて注目されているが、古くから食べ続けている身近な食材・食品も当てはまる」とのこと。

イチオシスト:松田 真紀
管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。株式会社バードワークス代表取締役。自ら18才から15年以上20kgの体重増減、摂食障害に。苦しいダイエット生活の末辿り着いた「仲間との楽しいお酒と食事」が「無理しない、簡単なダイエット法」として好評を博し、300以上の施設団体など多方面で活躍中。著書『居酒屋ダイエット』も好評発売中。

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スーパーフード

ヘルスコンシャスなアメリカやカナダ発のキーワード「スーパーフード」


「スーパーフード」という言葉は、1980年代頃のアメリカやカナダで始まったといわれ、アメリカの医師スティーブン・プラットの『スーパーフード処方箋~あなたの人生を変える14の食品』(2004年)、デイヴィッド・ウォルフの『スーパーフード』(2009年)といった書籍をきっかけに、アメリカでは2000年代に一大ブームを巻き起こしました。

当時から美のカリスマとされていたミランダ・カー、グウィネス・パルトロウ、マドンナらの著名な女優やモデル、アーティストなどのセレブリティたちが、日々の食生活に取り入れていることでも有名ですよね。今回は、スーパーフードについて詳しく解説していきます。

 

実は栄養学的な定義はない? 「スーパーフード」の定義

植物性の食材も多いスーパーフード。写真は

植物性の食材も多いスーパーフード。写真は「モリンガ」


「健康のための食スタイルのひとつ」として活用されるマーケティング名称で、実は栄養学的な定義はありません。日本スーパーフード協会によると、以下のように定められています。

要約すると、一般的な食品よりも栄養価が高く、主に植物由来の食品を指し、自然由来の健康食材として長く用いられてきた歴史のある食材といった定義で使われることが多いようです。

”スーパーフードとは
はっきりと特定の食品を定義したものではなく「一般の食品よりビタミン、ミネラル、クロロフィル、アミノ酸といった必須栄養素や健康成分を多く含む、おもに植物由来の食品」という大前提で、提唱者によって異なる”

スーパーフードの定義は以下の通り。

《スーパーフードの定義》
・栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。
あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
 
・一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。”

《スーパーフードの基準》
「食歴」が長く、何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品であること。それにより、人体に及ぼす可能性がある、あらゆる問題が解明されており、その安全性に不安をもって食することがなく信頼がおけるもの。
 

スーパーフードと健康食品との違い

一般的に健康にいいとされるスーパーフードですが、健康食品との違いは何でしょうか?

「健康食品」は、厚生労働省によると「法律上の定義は無く、広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指しているもの」とされ、「保健機能食品」(「特定保健用食品」や「栄養機能食品」)とそれ以外に区別されています。一般に販売する「製品」について指す言葉でもあります。

一方でスーパーフードは、日本スーパーフード協会によると、

スーパーフードを通じて、生産者支援やフェアトレードなど、社会的問題への取り組みも行われており、こうしたポリシーをもつ点もまた、一般の健康食品にはない魅力であると言えます。”

という「生産者支援やフェアトレードなど、社会的問題への取り組み」などのポリシーの面でも区別があるようです。

スタートがアンチエイジング志向の高いアメリカ発祥なので、ビタミン、ミネラル、クロロフィル、アミノ酸、脂肪酸など「抗酸化作用が高いもの」「老化予防や生活習慣病予防によいもの」をスーパーフードとする例も多く見られます。

また、「アーモンド」「くるみ」「クコの実」のような丸ごと食べる「ホールフーズ」や、「スピルリナ」「キヌア」「ヘンプ シード」など、1品で不足しがちな栄養素まで複数バランスよく含むものも多いです。

古代野菜のひとつといわれ「ブロッコリーの母」とも称される「ケール」、酷暑の南アフリカなどで育つ「モリンガ」など、古くから健康維持のために食べ続けられてきた野菜もスーパーフードの定義・特徴に当てはまっています。

 

スーパーフードの2020年以降のトレンドは「食のサスティナブル化」

 
スーパーフード

植物性の食材も多いスーパーフードは、「食のサスティナブル化」とも相性◎


世界的にSDGs活動が高まり、「食のサスティナブル化」の方法として、植物性の食材を積極的に選ぶ「プラントベース」という志向が高まってきています。

植物性が大半を占め、すでに古くから食の歴史を持ち、「持続可能性」を体現しているスーパーフードは、既にサスティナブルを実証している食べ物。

そのため、サスティナブルの意識が強い方たちからはさらに注目を浴びています。

 

スーパーフードには野菜が多い!代表的なスーパーフード10選も

スーパーフード

スーパーフードのひとつである「クコの実」


スーパーフード協会によると、スーパーフードという概念が生まれたアメリカで一般的にSFと評価されている代表的な食品は以下の通りです。

プライマリースーパーフード10は、スーパーフードの代表的なランキング上位10選に入る食材と言えそうです。その他にも穀物・果実・野菜・種子類が挙げられ、いずれも植物性の食材や野菜類が多い傾向です。
 

<プライマリースーパーフード10>
スピルリナ、アサイー、カカオ、かむかむ、ココナッツ、マカ、クコの実、ヘンプ シード、チアシード、ブロッコリースプラウト

<穀類スーパーフード>
キヌア、アマランス、大麦、はと麦、そば、きび、ひえ、あわ、黒米、赤米など

<果実・野菜・種子類スーパーフード>
ケール、ビーツ、アセロラ、アボカド、モリンガ、アーモンド、くるみ、アマ二、エゴマ、ウコン、生蜂蜜、ノニ、マキベリー、ゴジベリー など

 

かつての欠点は手に入りにくさ。でも今はより身近に、カジュアルに! 

スーパーフード

スーパーフード


スーパーフードが登場した当初は、最先端のカフェやレストランでしか食べることができない、入手してもどう食べていいのかわからないなど、ハードルが高いイメージがありました。

しかし、最近では複数のスーパーフードがミックスされたシリアル、スムージー、雑穀米などが販売され、ビギナーでも自宅でも手軽に取り入れやすくなり、身近なものへと変化しています。

食生活に取り入れやすいもの、コスパがよく手に入りやすく食べ続けられるものを摂り入れてみてはいかがでしょうか。

 

甘酒、味噌、納豆……日本のスーパーフードにも注目

日本伝統の食品である甘酒、味噌、納豆、酒粕、糠、緑茶、玄米、昆布などは、その栄養価の高さから「ジャパニーズスーパーフード」とも称されるそう。これらも長く食べ続けられている私たちの身近な食材であり、既にスーパーフードを食べていると言えるかもしれません。

▼松田さん執筆の「ジャパニーズスーパーフード」情報
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もともと、スーパーフードはその地域で健康維持のために食べ続けられてきたナチュラルなもの。日常的に取り入れてこそ健康に役立ちます。無理なく毎日取り入れやすいものを選んで、気負うことなく楽しんでみてはいかがでしょうか。

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